出逢い③

帰りながらも彼女の事が頭から離れない
家に帰ってきてもその日は上の空で何をしても見に入らない

寝るまで彼女の仕草や笑顔をずっと思い返していた



「って言う感じだよ」
俺の話を黙って聞いていたタカシは

『で、どうするんだよ?』

「どうするもこうするもどうしたらいいのか分かんねぇ…
結婚してるかしてないかさえも分からないし」

『見てるだけにするか?
それにもし結婚もしてなくて彼氏も居なかったとしても、お前が言うようにそんなにいい女ならすぐに男が寄ってくるじゃねえの?』

「それは困る!!」

『なら気持ちだけでも伝えてみればいいんじないの?』

「そう簡単に言うけどなぁいつ伝えるんだよ
ずーっと見張られてるのにさ」

『おまえにも一人の時間があるじゃねえかよ』
タカシはニヤリと笑った

「??
んっ?あっ!そうか!ジョギングの時間だ!!」

『そうだよ!お前にはそれしかないよ
仕事中だろうが声かけるぐらいなら出来るだろ?
という事でぜんは急げだ!!
早速次の休みに実行にうつすこと!』


次の休みに俺は彼女に声をかけることにした
それまでの間、タカシは一緒に色々と考えてくれた
タカシのおかげで家にいても気持ちは暗くならずにすんだ

ーありがとうタカシ


そしていよいよ日曜
「ジョギング行ってくる」

ー11時までには帰ってきて
聞こえないふりをして出掛けた