6日目①

目が覚める
一瞬どこだか分からない


コーヒーの良い香りが漂っている
ちょっとずつ頭が冴えていく


そうだ!私‥昨日‥
どんどん思い出す


あたりを見回し枕元に自分のバッグを見つけるとすぐさま携帯を取り出す
お知らせ点滅が光っておりユウトからの着信とL○NEが届いていた


すぐさま電話をかけるが出ない
L○NEにメッセージを送りユウトからの連絡を待つことにした


起き上がり布団を出て扉をあけコーヒーの香りがする方へ行ってみる
【あっ!おはようございます。気分どうですか?】
ここはそうだマナミの家だ
昨夜の事が更に蘇る。


『おはよう。すごく良く寝たよ。
おかげさまで体調も悪くないかな。』

【良かったぁ〜。お腹すきませんか?】
そう言えば何も食べてない。
お腹は正直だ何か欲しいと鳴き出す。


【ふふふじゃあ何か作りますね。
お風呂入ってきてくださいね。】

『ありがとう借りるね。』
少し口の中が痛い。
体調は思ったほど悪く思わない。
けど今は何もしたくない。
甘えさせてもらうことにした。


温かいお風呂は身体の隅々と心まで温めてくれる。
ホっとすると鮮明に怖かった昨日を思い出す。


『ユウト…会いたい…』
今すぐ会いたい抱きしめてほしい‥
涙が溢れる


お風呂から出ると直ぐさま携帯を見てみる。
ユウトからの連絡はまだない


【井上さん食べましょう。きっと連絡入りますよ!】
うどんを作っていてくれた
口の中を切っていることを知っているのだろう
あまり熱くないうどんが凄く美味しかった。

【顔の腫れおさまりましたね】

『ほんとにありがとう。
急にビックリしたでしょ?』

【はい。
まさかあの小川がそこまでするとは考えてもいなかったからビックリどころじゃなかったですよ。
でもユウトさんの井上さんを想う気持ちにも更にビックリしました。
井上さんの事すごくすごく心配してて‥
いっときもそばを離れなくて‥
愛されてるってこういう事を言うんだなって‥
見てて何だか泣いちゃいました
ユウトさんがいてくれたら井上さんは何も心配いらないなって‥】

『‥ほんとにマナミがいてくれて良かった
マナミに話してなかったらどうなってたんだろうと思うと、ユウトもきっと凄く感謝してると思う。』

私は恵まれてる愛する人がいて大切な友達がいて‥
涙がこみ上げる

【井上さん‥グスッ‥泣かないで‥グスッください‥
私まで‥泣けて‥きちゃいます‥
あっ!そうだ!!井上さん!
もし体調が悪くなかったら今日バレンタインのチョコ買いに行きませんか?
長沢くんにあげたいんです!
井上さんもユウトさんにどうですか?
一緒に選びましょう!!】

『そっか‥バレンタインがあるんだ‥
うん‥そうだね‥買いに行こうか!』

一人でいたら昨日の事を思い出してしまう
ユウトの事を想いながらユウトに何かを選ぶ
それが今の私にはどんなに心強いか‥

【じゃあ膳は急げです!
用意していきましょ!!】

ユウト‥
早く声をきかせて