5日目①

今日は新商品の入替えのための棚替えをマナミと二人でしていた

マナミが小さな声で
「昨日はホントにビックリしましたよー!
でも話してくれて嬉しかったです♡」

『聞いてくれてありがとう♡
マナミも長沢くんと上手くいくといいね!』
私も小声で返事をする

ユウトとの夕べの電話の内容を思い出しながら作業を進めていると
【井上さんおはよう】
と声を掛けられた

『あっ!おはようございます!いらっしゃいませ。
小川様いつもありがとうございます』
声を掛けてきたのは私より10歳ぐらい上の常連の小川という男のお客様だった

ほとんど毎日買い物に来るので顔見知りになり軽く話す感じが約3年も続いていた

【この間、旅行行ってて景色が綺麗だったから写真撮ったんだけど…コレ】
スマホで撮った写メを見せてくる

あまりお客様と仲良くしてもいけないがかと言って無下にも来ない

『わぁ!綺麗ですね!!』
早く作業を進めたいのだが次々と写真を見せてくる

【良かったらこの写メ送信しようか?】

『えっ?写メ…をですか?』

【L○NEで送信するよ。それとも普通にメールの方がいい?
アドレス教えて貰っていい?】

もちろん教えるつもりなどない
まさかそんな事を言われるとは思ってもいなかったのでどうやって断ったらいいのか戸惑っていると…

「井上さん!ここの作業ってどうやったらいいですか?」
マナミが上手い具合に声をかけてくれた

「あっ!いらっしゃいませ。すみません。
お客様がいらっしゃったとは気が付かずに私ったら…
お客様何かお探しでしたら私がご案内しますよ」

【あっ…いやっ大丈夫です。ありがとう
井上さん頑張ってください】
小川は去っていった

『ありがとう。助かったよ!』

「あの人絶対井上さんの事を狙ってますよ!」

『そんな事ないよ。ただ本当に綺麗な写メを送ってくれようとしただけだよ』

「違いますよ!絶対狙ってますよ!!
井上さん気をつけて下さいね!
最近は色々とあるんだから気をつけるに越したことないですよ」

『うんそうだね。気をつける』
マナミの忠告を軽く考えていた

『今日って17時まで出勤になったんだってね』

「そうなんですよー
井上さんと一緒の時間まで頑張りますよ!
よろしくお願いしまーす!」

パートのマナミは13時まで出勤だがごくたまに17時まで出勤日がある
そんなマナミと二人で17時まで頑張った

仕事が終わりユウトに会うまでまだ時間があったのてどうしようかと悩んでいると

「井上さん!急いで帰らないとダメですか?
今からスーパーで買い物するんですけど一緒に行きません?」

『行く!行く!丁度時間を潰したかったの』

マナミと楽しく買い物しているとユウトから定時に上がれるからいつもの場所で待っててとメッセージがきた

マナミと買い物を終わらせると丁度いい時間
なりいつもの河川敷に車を走らせた