4日目②

仕事が終わりマナミとしゃぶしゃぶを食べに来た
ここのしゃぶしゃぶ屋は全席個室なので聞かれたくない話もゆっくり出来る

『おつかれさま』
「おつかれさまです」
二人共車だったためウーロン茶で乾杯した

『で、どうしたの?』
私はまなみの話を早速聞くことにした

「長沢くんの事なんですけど…」
長沢くんとは今年の新入社員
関西出身の長沢くんは話上手で面白くて目がクリッとした少し濃い顔立ちの可愛らしい男の子だった

仕事も非常に頑張っておりすぐにみんなとも打ち解け愛されキャラだった

マナミはそんな長沢くんの事がすぐに好きになった
しかし長沢くんには地元に長年付き合っている彼女がいた
マナミは結婚もしていて2歳の子供がいるがどうすればいいのかと前から相談は受けていた

先月長沢くんも含め職場の何人かで飲み会をした時に連絡先を交換し、それから連絡を取り合っていると言うところまでは聞いていた

「実は長沢くんと二人で会う事になったんです!」

『えっ!?ほんとに?やったじゃない!!』

「はい凄く嬉しいんですけど…私の事をどう思って誘ってくれているのか分からなくて…
ただ普通に職場の仲間として軽いノリなのか、ちょっとでも好意を持っていてくれるのか、身体だけの関係とかを望んでるのかとか…
悪い方向にばっかり考えちゃって…」

『今回のお誘いはもしかしたら二人の関係をどうするかって言うことを話したいんじゃない?
長沢くんも彼女いるのにマナミと会おうなんて思うぐらいだから気はあると思うよ』

「そうだといいんですけど…」

『今回初めて二人で会ったら何か進展はあるはずだよ!!
だから悪い方向にばっかり考えないで!!』

「…そうですよね…!
悪い方向に考えても仕方ないですよね!!
取りあえず二人で会ってきます!!」

マナミは気持ちの切り替えが出来たのか凄い勢いでしゃぶしゃぶを食べ始めた
「で…井上さんも何か話があるんですよね?」

『あっ…うん…実はね…』
ユウトとの出会いから昨日の事までを話した

「…………うっ…ゴホゴホッ…うわっ…」
マナミはかなり驚いたのであろう
食べていたしゃぶしゃぶが喉につまり更に皿を引っくり返したのである

『ちょっ…大丈夫?』

「いや大丈夫も何も…衝撃が大き過ぎて…」

『今まで言えなくてごめんね』

「いえいえそんなのいいですよ!
私の事を凄ーーーく信用してくれてるって事ですよね?
メッチャ嬉しいです!!!
何かあったらすぐに言ってください
私に出来ることがあれば何でもしますから!」

マナミは自分の事のように非常に喜んでくれ自分ももっと頑張るんだとしゃぶしゃぶをおかわりした

お互いに報告が出来すっきりした気持ちでアパートに着いた