ユウト1日目③

俺は車に戻ると紙とボールペンを探した
見つけた俺は携帯番号を書いた
そう彼女に渡すためだ

ーやっぱりゆっくり二人で話したいしこのまま終わらせたくない
今日しかないんだ!絶対受け取って貰う!

俺はまた店に入った
ー彼女はどこにいるんだろう?
またキョロキョロと探す

ーあっ、居た!
けど接客してる…どうしようか?
イヤ待つ!!
絶対渡す!

次になんて声をかけるか考えながら彼女をチラチラ見ながら待っていた

ーあっ!接客おわった?
アレ?どっか行ってしまう
慌てて追いかける

ハンドクリーム売り場まで来た彼女はキョロキョロと辺りを見回している
ーもしかして俺を探してる?
まさか…?

そしてまた元の場所に戻った彼女に

「度々すみません。コンタクトの洗浄液はどこです か? 」

俺を見た彼女は何だか顔が嬉しそう?

『帰ったのかと思いました』

彼女は自分の言った言葉にビックリしたのかあきらかに慌てた様子で
『あのっ…えっと…ハンドクリームをちゃんと探して あげれなかったから…』 と誤魔化している?

ーそんな嬉しい事を言われたら期待してしまうだろ!
期待していいのか?

俺は真っ直ぐに彼女を見た
「帰ったりしませんよ。まだ話したかったから」
ーもう遠慮はしない
絶対、絶対、彼女を俺のものにしたい!

ジッと見つめたままの俺を見た彼女はまたみるみる内に真っ赤になった
ーもう何でいちいち可愛いんだよっ
ヤバい!抱きしめたいっ!

「可愛いですね」
大きな目を更に見開いてジッと見つめ続ける彼女
ーほらっ!!連絡先渡すんだろ!

俺は電話番号を書いた紙を握りしめ
「…ふた」
ーふたりで会いたいので連絡下さいと言いかけた時に

【業務連絡します。井上さん井上さん只今の作業終 わりましたら事務所までお願いします】
店内放送で彼女は呼ばれた
ー何だ?何でこんなタイミング悪いんだ?!

「呼ばれましたよね?行かないといけないですね」
言いかけた言葉を飲み込んた俺は聞いてみた

『……あの…まだお話終わってませんから大丈夫で す』
ーがっかりした?ような顔

「じゃあオススメの洗浄液どれですか?」
ー俺はバカか!
そんなのを言いたいんじゃないだろ!

『コレがオススメです…』
ーやっぱりがっかりした?のか元気がなくなった?
でもこれ以上仕事の邪魔も出来ないし…よし!

「これにします。ありがとうございます。帰りますね 」
ーよしっ!!

「これ!」
紙切れを差し出す

何を差し出されたかも分からずに受け取った彼女

「連絡待ってます」
そう言い残しあとにした
ーあぁ~渡した渡せた(>_<)
どうかどうか捨てないで~

一つの使命を果たした俺は疲れがどっと出た
しかし心地良い疲れで気持は軽かった

ーあとは彼女次第
頼む!連絡ありますように…