ユウト1日目①
彼女の職場に着くまでに車の中で
ーもし今日居なかったらどうしよう?
ーもし結婚してたら?してなくても彼氏いたら?
ー凄く拒絶されたら?
悪い方ばかりに考えてしっていた
「ダメだ!ダメだ!
良い方に考えなきゃ!よしっ!!」
車の中で一人で気合を入れてみる
そんな事をしながら彼女の職場の駐車場についた
せっかく着いたのにまたウジウジと考えてしまっている
勇気が出ずなかなか店内に入れない
ー俺、どんだけ気が弱いんだ?
深呼吸してみる
ーここまで来たんだ!
タカシにも背中押してもらったしな!!
意を決して店内に入った
ーえーっと彼女は??
少しキョロキョロと辺りを見渡してみる
ー居た!!良かった居てくれて~
しかし接客をしていた
ニコニコと優しい笑顔で話しをしている
ーうっわっーー!!
やっぱりキレイな人だなぁ…
見惚れていた
目が離せない
接客が終わりようやく一人になった彼女
ー今だ!!
んっ?何て声かける??
早くしないとまた別の客のとこに行ってしまう
何でもいい!とにかく声をかけないと!
「すみません!」
ーヤバイ(゜o゜;何も出てこない
だが咄嗟に手が荒れていたことを思い出し
「ハンドクリームどこですか?」
声をかける事が出来た
『ハンドクリームですね?こちらです』
ニコッと笑う
笑うと少しエクボが出来て可愛い印象になる
ーヤバイっ(>_<;)
可愛すぎる
売り場まで連れて来てくれた
「仕事でアルコールを使うので手がボロボロで…」
彼女に手を見せる
昨日急いで仕上げないといけない車が一台あって
青い塗料はついたままだしヒビが入ってて赤切れもあって痛い
彼女に声をかけに来たのだか本当にハンドクリームも欲しかったのは事実だ
ハンドクリームのおかげで彼女に声をかけることも出来た
『かなり痛そうですね…
もしかして車の塗装とかのお仕事ですか?』
さっきまで笑顔の彼女は俺の手を心配そうに見つめていた
ーえっ?仕事当てられた…!
ビックリだ!!
「えっ?何で分かるんですか?
そうなんです車の塗装の仕事をしてるんです」
彼女に俺を事を知ってもらいたくて焦り気味に喋ってしまった
『塗料のようなものも付いてるし他のお客様で同じ仕事をされてる方からも相談された事もありますので同じ感じがしたので』
一生懸命俺に合うハンドクリームを探してくれている
その横顔をジッと見つめていた
ー今度は真剣な顔
俺…もう…本当に好きだ
誰にも彼女を渡したくない!!
『これとかいかがですか?
手をお借りしますね!』
たくさんあるハンドクリームの中から一つを選び
俺の手をとった
ーえっ??
彼女ばかり見ていた俺はいきなりの出来事に焦ってしまった
手を取られた俺は情けないことに固まってしまった…