ユウト1日目②

彼女は俺の手をとりハンドクリームを塗ってくれた

ーうわっ(・・;)びっくりした
けどハンドクリームを探してるんだから
彼女にとって塗ってあげるのなんて当たり前だよな
なのに俺は何を固まってるんだ

彼女は俺の手をマッサージし始めた
『一生懸命頑張ってる職人さんの手ですね
格好いい手ですね』

ー////////っ
何でそんなに優しいんだ?
本当に汚いガサガサの手なのに…
こんなに一生懸命マッサージしてくれている

嫁なんてそんな汚い手でヒロトを触らないで!!
だもんな…

彼女の小さな手は白くて綺麗で俺の手を温かく包んでくれていた
「こんな汚い手なのにそんな風に言ってもらってありがとうございます
そんな事言われた事ないから何だか照れるなぁ…」

ー何だろう…
こんなに自分が優しい気持ちになるなんて…

彼女はニコニコ本当に一生懸命マッサージしてくれている
ー何てキレイなんだろう…

彼女がもう片方の手をマッサージしようと俺の手をとった
「キレイですね」
咄嗟に出た
でも本心だ

彼女は頭に?をいっぱい浮かべてこちらを見た
ーんっ?
あぁ!伝わってないのか
自分が綺麗だって自覚してないんだ

「えっと、お姉さんがキレイですね」

『えっ?えっ?キレイ??
えっと…私が…?』
ようやく自分が綺麗だと言われた事に気付いた彼女はみるみる内に耳まで真っ赤になった

ー慌ててる?焦ってる?
ふふっ可愛いなぁ
キレイだし可愛いし
それに制服の上からでも分かる胸の大きさと言い何だか雰囲気もエロいっ!

『こんなオバサン褒めても何も出ませんよ…(>_<)』
とまだ顔を真っ赤にさせていた

ーよし!聞きたいこと聞かないとな!
俺は真剣に
「結婚してますか?」
と彼女を見つめた

ドキドキする
聞きたいような…聞きたくないような…

『実はバツイチなんです』

ーえっ?まさかその発想はなかった!
と言う事は結婚…してないってことだよな?

俺は嬉しさがこみ上げてきた
顔がニヤけそうになる
ー待て待て俺
結婚はしてなくてもこんなに可愛くてキレイな人だ
彼氏がいるかも…

「じゃあ彼氏は?」
恐る恐る聞いてみた

首を横に降る彼女

ーよっしゃー!!
心の中でガッツポーズをし
「ホントのホントに?良かったー!!」

もうニヤケは止まらない
自分でも分かるぐらい笑顔が溢れる

ーほらほらニヤけてる場合じゃないぞ俺!
どうするんだ?
ほら早く仲良くなるきっかけを作らなきゃな!

「で、ですね…」
もっと話したい俺は連絡先を聞こうとした矢先

ちょっとすみませーん!
他の客に呼ばれる
ーそうだ今日は日曜だから忙しいのか
さっさっと聞かなきゃ

『他にもハンドクリームありますから色々とテスター試してみて下さいね
また何かありましたら声をかけてくださいね』
そう言い残すと彼女は他の客の元に行ってしまった

ー………何してんだよ俺は…
何一つとして進展しなかったじゃないかよ
情けねえなぁ俺…

さぁどうする俺?
帰るか?

……

……

しばらくその場で考え込んだ俺はある事を思い付き車まで戻った